豊富な観光資源をもつ日光ですが、なかでも有名なものが日光東照宮です。個人的な旅行やバスツアー、あるいは修学旅行などで訪れたことのある方も多いかもしれませんが、果たして皆様はどれくらい東照宮のことをご存知でしょうか?
三猿・陽明門・眠り猫…だけではない、日光東照宮の魅力・不思議をお届けします!

日光東照宮とは

  • 御祭神徳川家康公:徳川幕府初代将軍の徳川家康公を神様としてお祀りする神社です。家康公は遺言にて、亡くなったあとは久能山(静岡県)に埋葬し、「一周忌が過ぎた後に日光のお堂を建てて神として祀ること」として2代将軍の秀忠公が遺言に則り社殿を造りました。家康公は一度も日光に来たことはなかったといわれていますが、富士山から見て鬼門の方角にあたる日光の山に自分を祀ることによって日本に災いが入らぬよう守り神となろうとしました。
  • 山岳信仰の聖地:東照宮建立により、門前町としての盛り上がりをみせた日光ではありますが、東照宮ができる以前までは、「輪王寺」「二荒山神社」を中心に山岳信仰の聖地として、多くの修験者が日光を訪れていました。この歴史は奈良時代まで遡ります。東照宮ができて以降、現在の観光地のとしての形が発展してきたことは間違いありませんが、それ以前から現在でいうパワースポット的な場所として多くの人が訪れ、そこに家康公自身も心霊を感じてやってきたということも考えられます。

今も色あせない代表建築

  • 江戸時代初期の代表建築:最初にできた東照宮は2代将軍の秀忠公が造ったもので、今のような豪華絢爛な建物ではなかったそうです。現在の形になったのは3代将軍の家光公の時代で、家光公は祖父である家康公への感謝、尊敬の気持ちから東照宮を大きく造りかえました。これは寛永の大造営と呼ばれ、全国から技術、知識を日光に集結させ江戸時代初期の代表建築ともいえる現在の東照宮が完成しました。この時携わった職人は延べ人数で450万人といわれ現在の1年間の東照宮の参拝者よりも多い人数となっております。豪華な見た目がとりあげられることも多いですが、仏教建築と神社建築の融合した神仏習合の思想が現代まで残っている貴重な社殿となっております。
  • 精巧な彫刻:見ざる、言わざる、聞かざるで有名な三猿の彫刻をはじめ、5000以上の彫刻が東照宮にはあります。特に陽明門の508個の彫刻は圧巻で、竜や獅子といった霊獣だけでなく、こどもたちが遊んでいる様子や、国を治める君子にとって必要な芸事など様々な教養も学ぶことができます。目で見て色彩や技術に触れるのも良し、物語を追って時代背景や職人の想いに触れるのも良し、目では見えない部分まで楽しめる彫刻をお楽しみください。

伝統行事「春季例大祭」

  • 春季例大祭:毎年5月17日と18日に行われる日光東照宮最大のお祭りです。17日には例祭と流鏑馬神事が行われ、18日は「百物揃千人武者行列神輿渡御祭」が行われます。17日の流鏑馬は東照宮へ続く250ほどの表参道で行われますが、こちらの参道は登坂となっており、馬が文字通り、「馬力」で坂道を駆け上がっていきます。平地で行われることが多い流鏑馬ですが登坂を駆け上がる馬の姿は非常に迫力満点です。的を射抜いたときに起こる歓声とあわせて神事が完成していきます。翌18日の行列は家康公の遺骸を久能山東照宮から日光山に移したときの行列を再現したもので、東照宮にある3基の御神輿を中心に鎧武者など江戸時代の仮装をした1200人の行列が表参道を練り歩きます。中心となる御神輿の重さは約800キロといわれ55人の大人が交代しながら御神輿を運びます。

アクセス

  • 日光東照宮へのアクセス:車の場合は日光のICから10分ほどの場所になります。東照宮の駐車場というものもありますが、観光シーズンや休日は早い時間から満車になってしまうこともあるので、近くのほかの社寺の駐車場や市営の駐車場などを使うとよろしいかと思います。公共の交通機関を利用する場合には、神橋のバス停で降りると、ちょうど世界遺産の入り口から参拝を始めることができます。タクシーであれば東照宮の目の前にタクシー専用の乗降場所があるので、なるべく歩く距離を短縮したい場合にはタクシーが一番お勧めです。
  • 門前町を歩く:車やバスで移動をするのも楽ではありますが、あえて歩いて行くこともお勧めです。日光の駅から東照宮までは40分ほどの距離になりますが、道中の門前町には伝統的な工芸品や湯波や羊羹の老舗があったり、少しおしゃれなスイーツやカフェがあったり、歴史と現代が調和した街並みを楽しむことができます。ひたすら登坂になるので心配な方もいるかもしれませんが、日光の魅力に触れつつ東照宮に向かうのも旅のだいご味かもしれませんね。

二度目の日光

一度では気づかない魅力:日光には「二度目の日光」という言葉もあり、その歴史の深さ、観光資源の多さから一度だけではすべてを見られない、気づかないほどの魅力があります。その中において中心的な存在の日光東照宮ですが、多くの方が修学旅行で訪れたこともあるかもしれません。私自身も社会科見学で訪れたことがありますが、当時では気づかなかった魅力を今だからこそ気づくことができています。子供の視点と、大人になってから気づく視点もまた違いますので何度でも日光を訪れてみてください。もし今悩みがある人、不安がある人はそれを解決するための教訓を秘めた彫刻に出会うこともできるかもしれませんよ。

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